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伝統的な絞り染

伝統的な絞り染とは
昭和49年経済産業省が伝統的工芸品を指定し、主として手作業による物づくりを行っている産地の振興を
はかるため“伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)”を施行。絞り染については、京都の「京鹿
の子絞」、名古屋の「有松・鳴海絞」が指定されている。

などこれらの条件をすべて満たしている場合に国の伝統的工芸品として指定される。<沖津文幸著「絞りの
括りと染め」による>
よって、伝統的な絞り染とは上記の条件を満たし得ている絞り染ということである。

用意するもの


絞りの技法は現在50種類以上行われています。
その技法にはそれぞれ技法名がつけられています。
模様や形を表現するための防染の役割をします。

ここでは多種類の技法の中で、もっとも基本となる縫い締め絞技法の中の
いくつかをご紹介します。
縫い締め絞も糸の縫い入れ方、引き締め方などによって多くの種類に細分化され、
各々名前がつけられています。

【平縫い締め絞】

@糸は2本どりで、布に青花ペンで描いた線に従い針を縫い入れていきます。縫い方は普通の運針と
 同じ要領です。
 針目の間隔は布地が薄手・厚手・普通により、約2o・5o・3oが基準です。
 針は一針ごとに引き抜かず、3〜4針程度進めてから引き抜きます。
 ポイントは針目を表裏両面揃えるようにすることです。
A糸入れが終わったら針がついているほうの糸を持ち、布を糸の結び玉の方に強く引き締めます。
 縮めた布地を結びとめます。もう一度結んだ糸を引っ張り、布地との間に隙間ができれば再度隙間
 がなくなるように結びとめます。糸の端は1p程度残して切ります。
B平縫い締め絞は線を表現する技法ですが、直線だけでなく曲線、円、方形などさまざまな線を表現
 できます。

hira1 hira2 hira3
@運針をするA糸を引き締めるB絞りのできあがり

やり方はまったく同じでも針目の入れ方でバリエーションも広がります。下記はその例です。

   
fukisoku kisokuteki kougoni
針目の間隔 不規則針目の間隔 一定に規則的針目の間隔 交互に規則的

【杢目絞】(もくめしぼり)

 樹木のもくめ模様を現わすことからこの名で呼ばれているそうです。
 平縫い締め絞とやり方はほとんど同じですが、布地全体つまり模様になる地の部分を総縫いする
 ことになります。
 杢目絞は糸を縫い入れる線と線との間隔を5〜7o程度にします。
 線と線の間隔が統一されていることが綺麗にできるこつです。
 杢目絞は面を杢目模様で表現するのです。

【折り縫い締め絞】

@この技法は太い線を現わします。やり方は平縫い締め絞と同様です。
 青花ペンで下絵となる線を描き、その線が山の頂きになるよう二つに折ります。
A2枚になった布地をそのまま右から針を入れ、縫い進めます。その時布地を横にたたむよう
 にして運針をしていきます。
 針目は2〜3mm位の間隔にし、糸が二つ折りにした布地の山の頂きに近い所にくるよう
 縫い入れます。
Bこの技法で現わす線は直線だけでなく、曲線や円形、方形など線で表現したい部分を自由に
 描くことができます。
 曲線を縫い入れる場合、布の表裏の片方を少しずらしながら糸入れの場所が山の頂きから遠
 く離れないよう縫います。
 

or1 or2 or3
@布地を縫うA糸を引き整えるB絞りのできあがり

【唐松絞】

@布地に青花ぺんで円形や方形、菱形など多重線で現わしたい模様の下絵を描きます。
 模様は一つだけでなく、複数あってもさしつかえありません。
A下絵の中心部分を二つ折りにし、布地の表裏が一致するようにします。
 布地は2枚重ねたまま平縫い締め絞のように下絵の線に沿って縫い入れていきます。
 すべての線に縫い入れが終わったら糸を引き締め結びとめます。
B唐松絞は現わしたい模様の中心線を境に、上下シンメトリーな柄ができます。

kara1 kara2 kara3
@布を2枚に折り縫うA糸を引き締めるB絞りのできあがり

【傘巻き絞】 傘巻き絞りは上記のように縫い締め絞技法ではなく、巻き上げ絞技法の
中の1つです。

@傘巻き絞は絞りあがった形が唐傘に似ているのでこう呼ばれているそうです。
 模様の面を表現する技法ですが、その模様の輪郭も表現できる技法です。
 面と輪郭の両方表現できることがこの技法の特徴です。
 この技法では、糸はすべて1本どりで縫い入れます。
 針に通した糸の一方の端は結び玉をつくります。
A布地に青花ペンで下絵を描き、下絵線の上を平縫い締め絞のやり方で縫い入れます。
 縫い始めは下絵線のどこからでもさしつかえありません(模様が混み合っている場合や複雑な輪郭線を持つ
 模様などは模様の状態により決める )が、時計周りの方向に糸入れを進めます。
B最初に縫い始めた、結び玉のある所まで運針し針を糸から抜きます。
 糸は模様の輪郭の大きさに応じて10〜20p位残し切ります。
 残したこの糸は布地を巻き上げるために使います。
 残した糸を引き布を寄せます。ホウズキか筆のような形になった先を指で摘み、上方に引っ張ります。
 根元の部分は青花の線が横線に見えます。この横線を横から見て横一線になるよう整えます。
C残しておいた糸で青花の線上を2〜3回強く巻き締めます。
 この場合ただ糸を根元に巻くのではなく、糸が布地に食い込むように引き締めます。
 これが輪郭がきれいにでるかどうかのポイントとなります。
 根元に寄せた糸を一定の間隔で、上方に向かって巻き締めていきます。
 上部が少し残るところで糸を交叉させ、輪をつくりその輪をかけ、引き締めます。
 引き締めて結びとめたところが弱いようならもう一度同じように結びとめ、糸を1pほど残して切ります。
 できあがりの形は、唐傘をたたんだように見えます。

kasamaki1 kasamaki2 kasamaki3
@下絵線に沿って縫う A縫った糸を横一線に締める B巻き上げた糸を先端で交差
kasamaki4 kasamaki5
C輪を作り先端にかけ、糸を引く D絞りのできあがり

伝統的な絞り染技法は如何でしたでしょうか?
伝統的な絞りはなんといってもその質感、立体的な布の表情に特徴があります。

あまり堅苦しく考えず、自分流にアレンジすると新しい発見があるかもしれません。
ハンカチや袋物・ストールなどのワンポイントに、小さなものなら時間もあまりかかりません。
どうぞ気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょう!

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